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- 考察その2(10/01)
- 考察(屁理屈とも…)(09/29)
考察その2
前のと同じく殺りん変換機能の回復用に書いた考察。
しつこいようですが、管理人の独断と偏見の産物ですので、殺りんよりの原作解釈が嫌だという方は読まないように。
[考察その2] Read More↓
しつこいようですが、管理人の独断と偏見の産物ですので、殺りんよりの原作解釈が嫌だという方は読まないように。
考察その2。
犬夜叉と殺生丸。
作品内において、この異母兄弟は対照的に描かれる傾向がある。
主人公を際立たせるために、それと対比させる相手を置く、というのはよく使われる手法である。
それが血の繋がった兄弟、しかも異母または異父であれば、そういった複雑な事情も絡んでくるので尚更対比させやすい。
熱血漢で感情的な半妖の犬夜叉に対し、冷静かつ冷酷な純血の妖怪の殺生丸。
犬夜叉の持つ刀は、人の守り刀である鉄砕牙であり、殺生丸の剣はその鉄砕牙を砕いた悟心鬼の牙より打ち起こされた、邪気を纏う闘鬼神である。
鉄砕牙は一振りで百の妖怪をなぎ払う破壊の刀であり、天生牙は一振りで百の命を救う癒しの刀である。
少し話は逸れるが、今回闘鬼神が折れたのは、私的にはある意味納得のいくものだった。
闘鬼神は奈落の分身から作られた物であるから、その事が奈落との最終決戦において何らかの影響を及ぼすのではないかと、ずっと気になっていたのである。(天生牙のパワーアップは、予想外であった。実を言うと、魍魎丸の身体は魄を材料にしているので、天生牙で斬れるのではないかと密かに期待していたのだが…)
彼らを取り巻く環境にしても、実に対照的である。
犬夜叉の場合は、彼と対等、下手をすれば彼より優位に立てるような、「仲間」が一緒であるが、殺生丸の場合は完全な主従関係である。
また、犬夜叉の変化、成長をかごめや桔梗との恋愛関係を通じて描くのと対比させるために、あえて現段階では恋愛対象になりえない年齢のりんを殺生丸の側に置いた可能性が高い。
ところが、殺生丸の精神的な変化、成長を描くにあたって、ネックとなるのがこのりんの年齢である。
仲間と共に苦難や危機に直面し、共にそれを乗り越えることによって成長する、というのは少年漫画においての黄金パターンである。
犬夜叉の場合、彼の仲間は皆それなりの戦闘能力を備えているから、苦難や危機に直面させるのに(こういう言い方をしては何だが)問題は無い。
ところが、りんの場合はそうはいかない。
何といっても、彼女はまさに「何の力も無いただの人間の小娘」なのである。苦難や危機に遭わせるとしても、かごめや珊瑚、弥勒たちと同レベルのものにするわけにはいかない。
更に言うなら、やはり彼女の年齢がネックになって、絆の深まりなどを通じての精神的成長を描くのにも限界がある。いや、書こうと思って書けないことはないのだろうが、それをやったら、はっきりきっぱり犯罪である。流石に、少年誌でそれはまずいだろう。
ここで注目されるのが神楽の存在である。
彼女は、敵の陣営にいながら、そこから逃れることを望んでいる。その為に、殺生丸とも度々接触している。
彼を選んだのは、はっきり言ってしまえば、殺生丸の方が半妖である犬夜叉より強いと踏んでのことであろう。それに、明確に敵対している犬夜叉たちに対して、殺生丸の方は不確定要素が強いため、奈落の目も届きにくいという計算もあっただろう。
こういった状態にある神楽は、言い方は悪いかもしれないが、りんに味合わせるわけにはいかないような苦難や危機、そして死を通じて、殺生丸に何らかの影響を与える存在として位置づけされていたのかもしれない。
「天生牙の力が及ばない事態」というのは、殺生丸の精神的成長を促すために、いつかは起こるイベントだとは思っていた。
それによって彼の中に生じる苦悩や絶望、相手への追悼の気持、といったものが彼を成長させるのだろうが、その対象にするには、これまたりんの年齢が問題になる。
りんがそういう事態になったとして、殺生丸が苦悩や絶望などをはっきりと顕わしたりしたら、殺りん的には萌えだが(しかし同時に絶望でもある…)、犯罪以外の何ものでもない。
しかし神楽なら、年齢的にも特に問題は無く、その死を彼が少しは悼んだとしても、不自然でない位置にいたのである。
最近、神楽の存在が強調されるのは、そういった理由ではないであろうか、というのが私の見解である。
(あと、編集部とかの意向もあるのかも、とも思います。今日日、ロリータ系のものは色々と問題視されてますから。作品と言うのは、その時の世情と言うのにも左右される物なのです)
犬夜叉と殺生丸。
作品内において、この異母兄弟は対照的に描かれる傾向がある。
主人公を際立たせるために、それと対比させる相手を置く、というのはよく使われる手法である。
それが血の繋がった兄弟、しかも異母または異父であれば、そういった複雑な事情も絡んでくるので尚更対比させやすい。
熱血漢で感情的な半妖の犬夜叉に対し、冷静かつ冷酷な純血の妖怪の殺生丸。
犬夜叉の持つ刀は、人の守り刀である鉄砕牙であり、殺生丸の剣はその鉄砕牙を砕いた悟心鬼の牙より打ち起こされた、邪気を纏う闘鬼神である。
鉄砕牙は一振りで百の妖怪をなぎ払う破壊の刀であり、天生牙は一振りで百の命を救う癒しの刀である。
少し話は逸れるが、今回闘鬼神が折れたのは、私的にはある意味納得のいくものだった。
闘鬼神は奈落の分身から作られた物であるから、その事が奈落との最終決戦において何らかの影響を及ぼすのではないかと、ずっと気になっていたのである。(天生牙のパワーアップは、予想外であった。実を言うと、魍魎丸の身体は魄を材料にしているので、天生牙で斬れるのではないかと密かに期待していたのだが…)
彼らを取り巻く環境にしても、実に対照的である。
犬夜叉の場合は、彼と対等、下手をすれば彼より優位に立てるような、「仲間」が一緒であるが、殺生丸の場合は完全な主従関係である。
また、犬夜叉の変化、成長をかごめや桔梗との恋愛関係を通じて描くのと対比させるために、あえて現段階では恋愛対象になりえない年齢のりんを殺生丸の側に置いた可能性が高い。
ところが、殺生丸の精神的な変化、成長を描くにあたって、ネックとなるのがこのりんの年齢である。
仲間と共に苦難や危機に直面し、共にそれを乗り越えることによって成長する、というのは少年漫画においての黄金パターンである。
犬夜叉の場合、彼の仲間は皆それなりの戦闘能力を備えているから、苦難や危機に直面させるのに(こういう言い方をしては何だが)問題は無い。
ところが、りんの場合はそうはいかない。
何といっても、彼女はまさに「何の力も無いただの人間の小娘」なのである。苦難や危機に遭わせるとしても、かごめや珊瑚、弥勒たちと同レベルのものにするわけにはいかない。
更に言うなら、やはり彼女の年齢がネックになって、絆の深まりなどを通じての精神的成長を描くのにも限界がある。いや、書こうと思って書けないことはないのだろうが、それをやったら、はっきりきっぱり犯罪である。流石に、少年誌でそれはまずいだろう。
ここで注目されるのが神楽の存在である。
彼女は、敵の陣営にいながら、そこから逃れることを望んでいる。その為に、殺生丸とも度々接触している。
彼を選んだのは、はっきり言ってしまえば、殺生丸の方が半妖である犬夜叉より強いと踏んでのことであろう。それに、明確に敵対している犬夜叉たちに対して、殺生丸の方は不確定要素が強いため、奈落の目も届きにくいという計算もあっただろう。
こういった状態にある神楽は、言い方は悪いかもしれないが、りんに味合わせるわけにはいかないような苦難や危機、そして死を通じて、殺生丸に何らかの影響を与える存在として位置づけされていたのかもしれない。
「天生牙の力が及ばない事態」というのは、殺生丸の精神的成長を促すために、いつかは起こるイベントだとは思っていた。
それによって彼の中に生じる苦悩や絶望、相手への追悼の気持、といったものが彼を成長させるのだろうが、その対象にするには、これまたりんの年齢が問題になる。
りんがそういう事態になったとして、殺生丸が苦悩や絶望などをはっきりと顕わしたりしたら、殺りん的には萌えだが(しかし同時に絶望でもある…)、犯罪以外の何ものでもない。
しかし神楽なら、年齢的にも特に問題は無く、その死を彼が少しは悼んだとしても、不自然でない位置にいたのである。
最近、神楽の存在が強調されるのは、そういった理由ではないであろうか、というのが私の見解である。
(あと、編集部とかの意向もあるのかも、とも思います。今日日、ロリータ系のものは色々と問題視されてますから。作品と言うのは、その時の世情と言うのにも左右される物なのです)
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2005/10/01 |
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考察(屁理屈とも…)
3月からの兄の連続登場で舞い上がっておりましたら、神楽姐さんが絡んできて、一気に凹んだ頃に書いたものです。
根性で殺りん変換機能の回復に励んでいたなー(遠い眼)
とことん殺りんよりの考察なので、そういうのが嫌だという人は読まないで下さいね。
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根性で殺りん変換機能の回復に励んでいたなー(遠い眼)
とことん殺りんよりの考察なので、そういうのが嫌だという人は読まないで下さいね。
殺生丸の神楽に対する感情についての考察
殺生丸にとって、神楽は当初「奈落の分身」以外の何者でもなかったと思われる。
初めて神楽に会ったときには、既に殺生丸にとって奈落は「敵」に分類されていた訳であるから、神楽に対する印象が良い訳が無い。更に付け加えるなら、この段階ではまだ、彼女を「個」として認識していたかも怪しい。
2度目の出会いは、彼女が四魂の欠片を入手し、それと引き換えに奈落を倒して欲しいと彼に取引を持ちかけるといったものである。
ここで、前回から薄々察していたであろうが、彼女が奈落に造反を企てていることをはっきりと知ることとなる。
しかし、殺生丸はその提案を一蹴する。
大妖怪である殺生丸にとって、四魂の玉などは不必要な存在である、というのが原因の大半であるのは言うまでもないが、自由を求めながらもその為に取った行動が他力本願なものである、というのは彼にとっては軽侮の対象でしかなかったのではないだろうか。
次に彼女が殺生丸一行に関わってくるのは、殺りんファン狂喜乱舞のエピソードであったりん誘拐事件のときであるが、この時彼女は殺生丸とは直接顔を合わせてはいない。状況が状況なので、印象がよくなる訳はないが。
ただ、神楽にとっては自分の提案を一蹴した男が、たかが人間の小娘のために動いた、というのは何とも複雑なものがあったであろう。
この後続く白霊山のエピソードでは、神楽が直接一行に関わって来る事は無いが、殺生丸の行動については情報が入ってきていたであろうから、やはり複雑であっただろうことは推察される。
その後の神楽は、殺生丸の元に訪れては可能な限りの情報を渡したりしている。心臓を奈落に握られている以上、どうしても他者を頼らざるを得ない、という点は変わらないが、自分に可能なことを模索しているその姿勢は、彼にとっては好意とまではいかないが、少なくとも「侮蔑の対象」という括りから彼女を外すのに十分であったと思われる。
といっても、川に落ちた彼女を助けたのが、見事なまでに「ついで」であるのは言うまでもない。りん(と邪見)がつられて溺れなかったら、まず間違いなく流されるままになっていたであろう。
この辺りが、彼と犬夜叉との違いである。
そして、完全に孤立無援になってしまった神楽に最後のときが訪れる。
奈落によって致命傷を負わされた彼女の元に殺生丸が現れた。彼女だとわかっていて来た、と言い、更には天生牙に手をかけてさえいる。これは、殺りんファン的にはきついが、殺生丸の心の成長、という視点で見た場合は興味深い。今まで彼は四回天生牙を揮っているが、そのいずれもが「自分のため」と言って差し支えないものである。
記念すべきりんの蘇生のときは、まさに「自分のため」である。自分でも明確ではない思いに駆られながら踵を返し、天生牙を抜き放ったとき、彼の中には「彼女を生き返らせることに対する是非」を考える気持などは存在していなかった。天生牙の力を試し、彼女をこの世へと引き戻すためだけに、彼は刀を揮ったのである。(生き返らせることが彼女にとっていい事なのか、などとは全然考えていないあたり、見事に天然である)
次の悟心鬼。これは単純に刀の材料の確保のため。
で、闘鬼神に真っ二つにされた邪見。状況の確認のため、と言う見方もあるが、残された臭いから何が起こったのかぐらい、彼にはすぐに分かるであろうからそれはちょっと弱い気がする。やはり、りんとの出会いで、殺生丸の中に何かしらの心の動きがあったのであろう。…りんの世話係が必要、といったのもあるかもしれないが。
甘太のおとうに関しても、天生牙が騒いだことに対する好奇心的な意味合いが強い感じがある。
そして、神楽。ある意味、彼女に対してだけは「自分のため」ではなく、純粋に「彼女のため」といった感がある。といっても、それが即、恋愛感情に結びつくとは限らない。恋愛感情というのは、多分に利己的なものであり、独占欲なども含むものである。殺生丸の神楽に対する態度からは、このどちらも感じられない事から、彼女に対して彼が恋愛感情を持っているとは考えにくいのだ。
少し話は逸れるが、これに対してりんの時には殺生丸はかなり積極的に動いている。(27巻参照)この事からも、彼の神楽に対する気持はりんと同等ではありえない、と言えるだろう。
ひたすらに自由を求め、自分自身であり続けようとした神楽を、この時になって初めて彼は「個」として認め、餞代わりに天生牙で救おうとしたのではないだろうか。
だが、瘴気に侵された彼女の身体は崩壊し、風の中へと消えていく。
肉体が消えてしまっては、天生牙でも救うことが出来ない。
彼女の死を通じて、殺生丸は「天生牙の限界」を知る。
天生牙はその特殊な性質上、滅多に揮われることは無い。だが、使い手である殺生丸の中にはどこかで「いざとなったら天生牙がある」といった考えがあったのではないだろうか。神楽の死はそういった考えを粉砕するのに、十分すぎるものであった。
更に、自らの力に絶対的な自信を持っている彼にとって、己の力が及ばない、という経験はそう無かったのではないだろうか。
しかし、心の成長、というものにおいて、挫折というのはある意味必要不可欠なものでもある。
以前、犬夜叉の風の傷を受けた時には、半妖と侮っていた彼が鉄砕牙を使いこなし、なまくらと蔑んでいた天生牙が自分を守った、という事実に直面して、彼の内面に変化が生じ、天生牙の真の使い手として開眼するきっかけになった。
だが、今回はその天生牙の力が通用しないという事態を突きつけられたのだ。
これは、彼にとってかなりの精神的な衝撃であった筈である。ある意味前回よりきついかもしれない。
しかし、これをきちんと克服することが出来たとき、彼は精神的な成長を遂げることになるのである。
最近のサンデーで、殺生丸がやたらに神楽を回想しているのは、命の儚さ、という事が、漸く彼の中で理解されてきている証拠ではないだろうか。
それは、天生牙で(ある意味反則的に)命を救いうる殺生丸にとっては、今まで縁の無かった思考である。
それを与えたきっかけである神楽を回想してしまうのは、どちらかと言えば連鎖反応のようなもので、恋愛感情であるとは考えにくい。
殺生丸にとって、神楽は当初「奈落の分身」以外の何者でもなかったと思われる。
初めて神楽に会ったときには、既に殺生丸にとって奈落は「敵」に分類されていた訳であるから、神楽に対する印象が良い訳が無い。更に付け加えるなら、この段階ではまだ、彼女を「個」として認識していたかも怪しい。
2度目の出会いは、彼女が四魂の欠片を入手し、それと引き換えに奈落を倒して欲しいと彼に取引を持ちかけるといったものである。
ここで、前回から薄々察していたであろうが、彼女が奈落に造反を企てていることをはっきりと知ることとなる。
しかし、殺生丸はその提案を一蹴する。
大妖怪である殺生丸にとって、四魂の玉などは不必要な存在である、というのが原因の大半であるのは言うまでもないが、自由を求めながらもその為に取った行動が他力本願なものである、というのは彼にとっては軽侮の対象でしかなかったのではないだろうか。
次に彼女が殺生丸一行に関わってくるのは、殺りんファン狂喜乱舞のエピソードであったりん誘拐事件のときであるが、この時彼女は殺生丸とは直接顔を合わせてはいない。状況が状況なので、印象がよくなる訳はないが。
ただ、神楽にとっては自分の提案を一蹴した男が、たかが人間の小娘のために動いた、というのは何とも複雑なものがあったであろう。
この後続く白霊山のエピソードでは、神楽が直接一行に関わって来る事は無いが、殺生丸の行動については情報が入ってきていたであろうから、やはり複雑であっただろうことは推察される。
その後の神楽は、殺生丸の元に訪れては可能な限りの情報を渡したりしている。心臓を奈落に握られている以上、どうしても他者を頼らざるを得ない、という点は変わらないが、自分に可能なことを模索しているその姿勢は、彼にとっては好意とまではいかないが、少なくとも「侮蔑の対象」という括りから彼女を外すのに十分であったと思われる。
といっても、川に落ちた彼女を助けたのが、見事なまでに「ついで」であるのは言うまでもない。りん(と邪見)がつられて溺れなかったら、まず間違いなく流されるままになっていたであろう。
この辺りが、彼と犬夜叉との違いである。
そして、完全に孤立無援になってしまった神楽に最後のときが訪れる。
奈落によって致命傷を負わされた彼女の元に殺生丸が現れた。彼女だとわかっていて来た、と言い、更には天生牙に手をかけてさえいる。これは、殺りんファン的にはきついが、殺生丸の心の成長、という視点で見た場合は興味深い。今まで彼は四回天生牙を揮っているが、そのいずれもが「自分のため」と言って差し支えないものである。
記念すべきりんの蘇生のときは、まさに「自分のため」である。自分でも明確ではない思いに駆られながら踵を返し、天生牙を抜き放ったとき、彼の中には「彼女を生き返らせることに対する是非」を考える気持などは存在していなかった。天生牙の力を試し、彼女をこの世へと引き戻すためだけに、彼は刀を揮ったのである。(生き返らせることが彼女にとっていい事なのか、などとは全然考えていないあたり、見事に天然である)
次の悟心鬼。これは単純に刀の材料の確保のため。
で、闘鬼神に真っ二つにされた邪見。状況の確認のため、と言う見方もあるが、残された臭いから何が起こったのかぐらい、彼にはすぐに分かるであろうからそれはちょっと弱い気がする。やはり、りんとの出会いで、殺生丸の中に何かしらの心の動きがあったのであろう。…りんの世話係が必要、といったのもあるかもしれないが。
甘太のおとうに関しても、天生牙が騒いだことに対する好奇心的な意味合いが強い感じがある。
そして、神楽。ある意味、彼女に対してだけは「自分のため」ではなく、純粋に「彼女のため」といった感がある。といっても、それが即、恋愛感情に結びつくとは限らない。恋愛感情というのは、多分に利己的なものであり、独占欲なども含むものである。殺生丸の神楽に対する態度からは、このどちらも感じられない事から、彼女に対して彼が恋愛感情を持っているとは考えにくいのだ。
少し話は逸れるが、これに対してりんの時には殺生丸はかなり積極的に動いている。(27巻参照)この事からも、彼の神楽に対する気持はりんと同等ではありえない、と言えるだろう。
ひたすらに自由を求め、自分自身であり続けようとした神楽を、この時になって初めて彼は「個」として認め、餞代わりに天生牙で救おうとしたのではないだろうか。
だが、瘴気に侵された彼女の身体は崩壊し、風の中へと消えていく。
肉体が消えてしまっては、天生牙でも救うことが出来ない。
彼女の死を通じて、殺生丸は「天生牙の限界」を知る。
天生牙はその特殊な性質上、滅多に揮われることは無い。だが、使い手である殺生丸の中にはどこかで「いざとなったら天生牙がある」といった考えがあったのではないだろうか。神楽の死はそういった考えを粉砕するのに、十分すぎるものであった。
更に、自らの力に絶対的な自信を持っている彼にとって、己の力が及ばない、という経験はそう無かったのではないだろうか。
しかし、心の成長、というものにおいて、挫折というのはある意味必要不可欠なものでもある。
以前、犬夜叉の風の傷を受けた時には、半妖と侮っていた彼が鉄砕牙を使いこなし、なまくらと蔑んでいた天生牙が自分を守った、という事実に直面して、彼の内面に変化が生じ、天生牙の真の使い手として開眼するきっかけになった。
だが、今回はその天生牙の力が通用しないという事態を突きつけられたのだ。
これは、彼にとってかなりの精神的な衝撃であった筈である。ある意味前回よりきついかもしれない。
しかし、これをきちんと克服することが出来たとき、彼は精神的な成長を遂げることになるのである。
最近のサンデーで、殺生丸がやたらに神楽を回想しているのは、命の儚さ、という事が、漸く彼の中で理解されてきている証拠ではないだろうか。
それは、天生牙で(ある意味反則的に)命を救いうる殺生丸にとっては、今まで縁の無かった思考である。
それを与えたきっかけである神楽を回想してしまうのは、どちらかと言えば連鎖反応のようなもので、恋愛感情であるとは考えにくい。
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