希望予測
こんばんは、管理人です。
夕方からちまちま書き始め、チャット中にもこそこそ裏で作業して、なんとかキリのいいところまで行ったのでアップします。
携帯予告までのシーンのつもりで。
文体を見直す暇がなかったので、そのあたりは見逃してください(^_^;A
記事を開いてお読みくださいv
夕方からちまちま書き始め、チャット中にもこそこそ裏で作業して、なんとかキリのいいところまで行ったのでアップします。
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39号希望予測
険しい顔つきのまま、冥界から帰還した息子を女は無言で見返した。
「……せ、せせせ殺生丸さま! よくぞご無事で!」
感涙に咽びながら、邪見が殺生丸の方へと転がるようにして駆け出していく。だが、彼はそれに構うことなく、射るような鋭い目線を母親に向けていた。
主のただならぬ雰囲気を察したのか、邪見が殺生丸の足元で立ち止まって恐る恐るその表情を窺うが、大妖の白皙の面に浮かぶ凄まじいまでの怒気は真っ直ぐにその母親に向けられていた。その腕には生気の失せたりんの身体が抱えられている。
りんは――と言いかけて、邪見は口を噤んだ。先程、殺生丸の母親から言われた事と、今の主の表情を見れば、少女の命が失われていることは明白だったからだ。
邪見が躊躇いがちに口を開くより先に、殺生丸が険しい表情のまま、母親に詰問口調で詰め寄っていた。
「――知っていたのか」
百の言葉を連ねるよりも雄弁なその口調に、女は僅かに眼を細めた。
「……天生牙の事であればな」
淡々とした口調でそう答える母を、殺生丸は射殺さんばかりの眼で睨みつけた。
「私を責めるのは筋違いであろう? 殺生丸」
息子の視線を真っ向から受け止めながら、女は小さく肩を竦めて見せた。
「そなたは訊かなかった。――だから私も言わなかった。それだけのことだ」
「……訊かれれば答えたとでも言いたげだな」
苦々しさを隠そうともしない口調でそう言う息子に、女は小さくため息をついた。
「そなたは昔っからそうであったな」
どこか呆れたようなものを含んだ口調であるのは、やはり彼女が母親であるせいだろうか。いかに成長したとしても、彼女が殺生丸を産んだという事実は変えようがないからだ。
「天生牙を受け継いだ時、そなたは鉄砕牙が己に与えられなかったことしか頭になかった」
「……」
「天生牙の何たるかも、父上の真意も知ろうともしなかった」
「……」
「天生牙を何とか使えるようになった後も、恐らくはただ徒(いたずら)に、その力を弄んでいたに過ぎなかったのであろう? 生と死の理の事など考えもせずに」
そう語る母の金色の瞳が、腕の中の少女に据えられているのを悟った殺生丸が、りんの身体を母の視界から隠すように抱き直す。
「漸くこの母の元を訪ねてきたかと思えば、口にするのはやはり力の事のみ――」
息子のそういう反応をどう思っているのか、女の口調に目立った感情の色は現れなかった。
「その全ての代償が、今そなたの腕の中にあるそれだ」
母親の言葉に、殺生丸がぎり、と牙を鳴らす。
忌々しいことに、母親の言葉はそのほぼ悉くが真実を突いていたのだ。殺生丸が眼を逸らし続けてきた真実を。
そんな息子の様子を母親は無表情に見返していた。もし、殺生丸が隻腕でなかったら――そして、その唯一の腕で人間の小娘を抱えていなければ――、まず間違いなくその爪と牙が己に向けられていたであろう事を確信しつつ。
かつての息子であれば、怒りに任せて、腕の中の骸を放り捨ててでも己に向かってきたであろう。(無論、簡単にやられるつもりなどなかったが)それが今は、腕の中の少女の骸を決して放そうとはしないのだ。
女は静かに息子と、その腕の中の少女を見つめた。かつて見たことがないほどに苦悩を露にしている息子と、不思議なまでに安らいだ死顔をしている人間の少女を。
「……小娘をこちらに」
そう言いながら、自分が座っていた座を手で示す女に、殺生丸が不信に満ちた眼を向ける。それに小さくため息をつくと、女は口を開いた。
「……天生牙では小娘は救えぬ。既に一度、呼び戻されているからな」
「……」
「だが、私なら救える――といったら、どうする?」
母の言葉に殺生丸がはっと顔を上げた。
険しい顔つきのまま、冥界から帰還した息子を女は無言で見返した。
「……せ、せせせ殺生丸さま! よくぞご無事で!」
感涙に咽びながら、邪見が殺生丸の方へと転がるようにして駆け出していく。だが、彼はそれに構うことなく、射るような鋭い目線を母親に向けていた。
主のただならぬ雰囲気を察したのか、邪見が殺生丸の足元で立ち止まって恐る恐るその表情を窺うが、大妖の白皙の面に浮かぶ凄まじいまでの怒気は真っ直ぐにその母親に向けられていた。その腕には生気の失せたりんの身体が抱えられている。
りんは――と言いかけて、邪見は口を噤んだ。先程、殺生丸の母親から言われた事と、今の主の表情を見れば、少女の命が失われていることは明白だったからだ。
邪見が躊躇いがちに口を開くより先に、殺生丸が険しい表情のまま、母親に詰問口調で詰め寄っていた。
「――知っていたのか」
百の言葉を連ねるよりも雄弁なその口調に、女は僅かに眼を細めた。
「……天生牙の事であればな」
淡々とした口調でそう答える母を、殺生丸は射殺さんばかりの眼で睨みつけた。
「私を責めるのは筋違いであろう? 殺生丸」
息子の視線を真っ向から受け止めながら、女は小さく肩を竦めて見せた。
「そなたは訊かなかった。――だから私も言わなかった。それだけのことだ」
「……訊かれれば答えたとでも言いたげだな」
苦々しさを隠そうともしない口調でそう言う息子に、女は小さくため息をついた。
「そなたは昔っからそうであったな」
どこか呆れたようなものを含んだ口調であるのは、やはり彼女が母親であるせいだろうか。いかに成長したとしても、彼女が殺生丸を産んだという事実は変えようがないからだ。
「天生牙を受け継いだ時、そなたは鉄砕牙が己に与えられなかったことしか頭になかった」
「……」
「天生牙の何たるかも、父上の真意も知ろうともしなかった」
「……」
「天生牙を何とか使えるようになった後も、恐らくはただ徒(いたずら)に、その力を弄んでいたに過ぎなかったのであろう? 生と死の理の事など考えもせずに」
そう語る母の金色の瞳が、腕の中の少女に据えられているのを悟った殺生丸が、りんの身体を母の視界から隠すように抱き直す。
「漸くこの母の元を訪ねてきたかと思えば、口にするのはやはり力の事のみ――」
息子のそういう反応をどう思っているのか、女の口調に目立った感情の色は現れなかった。
「その全ての代償が、今そなたの腕の中にあるそれだ」
母親の言葉に、殺生丸がぎり、と牙を鳴らす。
忌々しいことに、母親の言葉はそのほぼ悉くが真実を突いていたのだ。殺生丸が眼を逸らし続けてきた真実を。
そんな息子の様子を母親は無表情に見返していた。もし、殺生丸が隻腕でなかったら――そして、その唯一の腕で人間の小娘を抱えていなければ――、まず間違いなくその爪と牙が己に向けられていたであろう事を確信しつつ。
かつての息子であれば、怒りに任せて、腕の中の骸を放り捨ててでも己に向かってきたであろう。(無論、簡単にやられるつもりなどなかったが)それが今は、腕の中の少女の骸を決して放そうとはしないのだ。
女は静かに息子と、その腕の中の少女を見つめた。かつて見たことがないほどに苦悩を露にしている息子と、不思議なまでに安らいだ死顔をしている人間の少女を。
「……小娘をこちらに」
そう言いながら、自分が座っていた座を手で示す女に、殺生丸が不信に満ちた眼を向ける。それに小さくため息をつくと、女は口を開いた。
「……天生牙では小娘は救えぬ。既に一度、呼び戻されているからな」
「……」
「だが、私なら救える――といったら、どうする?」
母の言葉に殺生丸がはっと顔を上げた。
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コメント
- おはようございます、あずさ様。
チャット会ではお世話になりました。
そして、「希望予測」拝読しました♪
りんちゃんを決して放そうとしない兄に萌えますv
それでは、またメッセ等で遊んでくれると嬉しいです。
失礼しました。
- こんばんは、恵美さん。
こちらこそお相手ありがとうございましたv
いやもう、あそこまでいったら、帰ってきても何らかの確証がない限り手放さないだろうと思いまして(^^)
今なら、兄に何させてもオッケーという感がありますから(こら)
それでは失礼します。
コメントありがとうございました。






